かつて自分はこの著者が塾長兼講師を務めた「イトケン塾」という士業者向けの塾に1年間通っていたのですが、そこで講義を受けるたびに目からうろこが落ちまくるという体験をしました。
この著書はそのウェイビー代表取締役である伊藤健太が起業者のために書いたマーケティングの入門書です。
当時その講義で習ったこととかぶる部分もあるため、また改めて原点に戻ることができた一冊でした。
日ごろ起業者の方とお会いしていて痛感するのは
「起業者はマーケティングを学ぶべきだ」
ということ。
それは集客に悩む起業者があまりに多く、そしてそれを改善するために何をすべきなのか、全くわからないで行動している話をよく聞くからです。
たとえば、同じような同業者が、同じような文言で行う、同じような地区、同じような購買層に対する横並びの宣伝活動。
それで他社以上の結果がでるはずがないと第三者としてはわかるのですが、当人はそれ以外の方法があると思いもつかないのです。
お客様本位のサービスも作れず、作れたとしてもそのサービスの魅力も伝えられないため、いきおい価格競争になったりします。
つまりマーケティングという概念が足りないのです。
当書籍は、そんな起業を考えている方、起業して売上が立たなくて悩んでいる方に対する教則本となります。
とは言っても、実際に集客に悩んでいる起業者について安直な答えが書いてあるわけではありません。
ほんの一部を紹介すると
「経営理念とはなにか」
「マーケティングとはなにか」
「お客さまとは何か」
などの根本的な命題が平易な言葉で語られています。
さらに、そこから導き出される結論として、たとえば
「経営理念や行動指針がサービスづくりのぶれない原点になる」
「売り上げは究極の目標ではない」
「売上とは価値の結果であり、お客様からの支持である」
などの言葉があります。
これら事業の本質を突いた言葉を腹落ちして納得できるかどうか、それが顧客から求められる(つまり売上がたつ)事業になるかどうかの境目です。
起業者と起業を目指す方は一度手に取ってみることをお勧めします。
特にマーケティングを学んだことのない起業者には必携の書です!