起業支援事務所が勧める起業しないという選択

こんにちは、茨城で創業融資、事業用資金融資をサポートしている行政書士兵藤貴夫です。

以前、知り合いの「独立開業したい」という女性の相談に乗ったのですが、予定ではこの春から起業したいということが、結局職場を変えてまた雇用される立場になったようです。

「夢を捨てたわけではない」

と言うことでしたが、起業することだけが人生の選択ではないので、とりあえずこの英断を祝福したいと思います。

起業者には起業者の、そしてサラリーマンにはサラリーマンの良さがあります。

サラリーマンで人生の満足を得られるのなら、それでいいわけです。

サラリーマンの良さというのはいろいろあるでしょうが、ひとつ思いつくのは

自分の欲望と向き合う必要も闘う必要もない

ということがあると思います。

それは「金銭」だけでなく「遊びたい」「楽をしたい」など様々な欲望です。

他人に自分の収入を決定して貰っている、自分の業務を決定してもらっている間は、不平不満はあっても、自分の欲望にふたをしていられます。

これは結構重要なことで

「自分が嫌いにならなくて済む」

という大きなメリットがあります。

起業者の事業活動は、自分の欲望と直結しています。

つまり自分の欲望と常に向き合わなければならないわけです。

事業主の方を見ていると、この

「自分の欲望と自己嫌悪」

の板挟みにストレスを感じていると思える方がいらっしゃいます。

人間的におかしいと思える事業主の方はいますが、背景にはこういったストレスもあるのではないでしょうか。

統計によるとサラリーマンのストレスの原因トップは

「人間関係」

だそうです。

対して起業して個人で事業をしている場合は、あまり人間関係で悩むことは(すくなくともサラリーマンに較べれば)少なくなります。

しかし今度は自分の中の隠れていた欲望との闘いが始まります。

逆説的ですが、自分の収入、自分の業務を自分でどうにもできない分、サラリーマンの方がやはり気楽なのかも知れません。