起業後はどの銀行と付き合うべきか

創業融資に信用保証協会を利用する方は銀行からの融資となりますので、当然どこの銀行にするかを考えなければなりません。

また創業時に日本政策金融公庫を利用する方でも創業後は市中銀行と付き合っていかなければなりません。

起業後、あるいは事業承継後の資金調達は、創業融資とはだいぶ方法も対応も変わってきます。

それは銀行からの資金調達が中心となってくるからです。

もちろん日本政策金融公庫からの資金調達も可能なのですが、事業を継続するうえで、公庫一本ですべての資金調達をまかなうのは、無理がありますし、やるべきではありません。

どうしても日常的に付き合っていく市中銀行を、その事業の発展段階に応じて一つから複数持つ必要があります。

この場合、どの銀行を選んだらいいのかは、非常に重要です!

当事務所へのご相談でも、創業後に運転資金に行き詰まり、銀行に行ったが断られた、あるいは話も聞いてもらえなかったという話が多くあります。

その事業の成長に合わせて、信金・信組・地方銀行・メガバンクなどを間違わず選択していかなければなりません。

銀行には以下のような種類があります。

信用金庫(信金)とはなにか

信用金庫法に基づく、地元の事業主が会員となって作った営利を目的としない金融機関です。

融資を受けるためには信金の会員である必要があり、あまり大規模な事業者は会員となることが出来ません(資本金9億円以下もしくは従業員300人以下)

創業時より数年はこの信用金庫と信用組合を中心に付き合うことを考えるといいでしょう。

名称に地域名が入っていることからもわかるように、地域と密着した細かいサポートを売りにしている金融機関です。

そもそもの目的が相互扶助であることから、小さい事業者にも頻繁に通って融資の相談に乗ってくれたり、業界のニュースを伝えてくれたりするありがたい存在です。

地域に密着していることから、貸しはがしなどの悪評が立つことを恐れており、ドライな対応をすることは少ないと言えます。

ただし金利は高めです。

これは行員の細かいサポートや、メガバンクなどに較べて少額の融資が多く経費がかかることからやむを得ないところがあります。

創業時には特に信用保証協会の保証付融資が中心となります。

茨城県には現在
水戸信用金庫
結城信用金庫
があります。

信用組合(信組)とはなにか

信用金庫と同じく非営利の金融機関です。

中小企業が集まって出資して作る組合組織の金融機関であり、規模的には営業エリアも支店数も信用金庫よりもさらに小さくなります。

信用組合が融資や預金ができるのは原則として組合員となっており、その組合員になれるのは、

  • 信用組合のある地域内に住所があるか、住んでいる者
  • 信用組合のある地域内で事業を行う小規模事業者とその役員及び従業員

となっています。

茨城県には現在
茨城県信用組合
があります。

地方銀行(地銀)とはなにか

第一地方銀行と第二地方銀行に別れます。

第二地方銀行は旧相互銀行が法律改正により転換した銀行が主体ですが、茨城県では現在第二地方銀行は存在しません。

やはり地域密着型ですが、信用金庫のように頻繁に通ってくれたりすることはありません。

その代わり、信用金庫よりも多額の融資に応じてくれたり、多少金利が安くなったりします。

融資は信用金庫と同じく信用保証協会の保証付融資が中心となります。

茨城県には現在
常陽銀行
筑波銀行
があります。

メガバンクとは

現在
東京三菱UFJ」「みずほ銀行」「三井住友銀行
の3行がこのメガバンクになります(3大メガバンクと呼ばれます)

以前は「都市銀行」と呼ばれていました。

全国に支店を持ち、茨城県にも各都市に支店を持っています。

業績のいい企業に対しては、地方銀行が提示できないような金額や金利を提示したりしますが、逆に業績の悪い企業に対してはドライに高金利を提示したりします。

行員1人あたりの営業エリアが広いため、密な関係を作ることも難しいなど、基本的に創業間もない企業、中小零細企業が付き合う銀行ではないと言えます。

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