自分の場合、創業融資だけでなく、起業後の資金調達のご相談にものっています。
お問い合わせをいただく方はそれぞれで、みなさま事業を開始して数ヶ月から数十年の幅があります。
「ここで資金調達してまた新たなステップに踏み出したい」
という前向きの理由もあるのですが、当然
「思ったような売上が立たない」
という後向きのお問い合わせも多くあります。
赤字であった場合、金融機関は絶対に融資しないかというとそういうことはありません。
ただその赤字の原因がはっきりしていて、かつ一過性のものである、来期は改善する可能性が高い、などの場合に限られます。
経営者の力不足、努力不足が赤字の原因である場合には、やはり融資は厳しくなります。
自分へのお問合わせで、
「来年は今年の営業の目が出て売上がアップしそうなので、それまでのつなぎ資金をなんとかしたい」
というのはまだいい方で、
「始めた事業がうまくいかない。新規事業に進出したいので資金がほしい」
というお問合わせもあります。
その新規事業についてお伺いしてみると、ほとんど思いつきのようなアイデアで、およそ真剣に検討したものとは思えなかったりします。
つまり苦し紛れの匂いがぷんぷんします。
こういうケースでの資金需要も金融機関はよくわかっているので、よほどしっかりした起死回生のプランでもない限り、まず融資は否決されます。
自分が期待した売上にとどかない起業者の多くは敗北感を抱えています。
そういう方には当事務所あるいは提携している経営支援会社のコンサルティングをお勧めしているのですが、なかなか聞いてもらえません。
もしかすると起業者とは
「他人のアドバイスで事業がうまくいくくらいならば、自分のやり方を通して失敗したほうがいい」
と考える人種なのではないかとさえ思います。
しかし成功している先人の多くが失敗や挫折を一度は経験しています。
そしてそれを素直に認めて新たな出発点にできる起業者だけが次の成功を手にできると考えています。