現在の日本の政策では
「起業者を増やしたい」
ということで、日本公庫の融資制度などを充実させています。
しかもマイナス金利のおかげで、かつてない低金利で融資が受けられます。
しかし、それでも資金がなくて起業できないという方に、融資の話をしても
「融資は受けたくない」
という返答が返ってきたりします。
以前にも書きましたが、それは
「融資 = 借金」
という意識が抜けなかったりするからなのですが、もう一つ多いのは
「本当に収益が上がって返済できるのか」
起業者自身にその不安が拭えない場合です。
つまり自己資金がないことを起業しない言い訳にしているわけです。
結局起業に対する準備が不足しているのです。
自分としては、十分融資を返済できる収益計画、資金繰り計画を作れないのだったら、起業しない方がいいと考えています。
言い換えれば、
「自分の起業の成功に十分な自信が持てるかどうか」
です。
当事務所に創業融資や運転資金、設備資金のご相談にいらっしゃる方のうち、利益が上がらなくて相談されるケースを除いて、皆様これからの事業に自信を持っています。
もちろん不安もあるのでしょうが、それを成功への確信が上回っているということなのでしょう。
その自信が持てない場合には起業を見直した方がいいと考えています。
そもそも全ての起業には博打の要素が含まれているものであり、100%うまくいくと確信が持てることの方が少ない。
多くの起業者にできることは、その博打を少しでも分のいいものにする努力だけです。
では、うまくいくかどうか確信が持てない事業をそれでも始めたい場合は、結局
「実験的に小さく始めて大きく育てる」
しかないのではないかと考えています。
これならば失敗したときのリスクが少なくなります。
そういう意味では、昨今の副業を解禁する流れは、起業者にとってありがたいことです。
サラリーマンとして、バイトとして収入の道を確保しておいて、その一方で起業そのものを学ぶための事業を始めるというイメージでしょうか。
経験に勝る勉強はありません。
その経験を副業という形で得ることは貴重な勉強であると考えています。