日頃起業者の方のご相談にのっていると、直感的に
「この人は成功しそうだ」
という人と
「この人はうまくいかないかも」
と思える人がいます。
それはたとえばその起業者に行動力や熱意、真剣さや誠実さが欠けていると感じることから、そう感じることはもちろんあります。
しかしそれらの条件が揃っていたとしても、それでもなんとなく「この人はうまくいきそうにない」と思える起業者がいます。
何が違うのか、自分でもわからなかったのですが、先日コンサルティングをしていて、その方の話を聞いている内に気がついたことがありました。
それは
「顧客のことを語っていても、顧客のことを考えていない」
と思える起業者です。
当たり前ですが、自分の提供できるサービスがあって、それをお客様に提供することで事業は成立します。
本来は
「顧客がいて」
「自分が提供したいサービスがあって」
「そのサービスが顧客に求められる」
のが事業の成立要件のはずですが、ときに自分の提供できるサービスに固執して、現実にそれを求めてくれる顧客を見ていないと思える起業者がいます。
あるいは販売テクニックを磨くことだけに熱心で、自分の商品も顧客も真剣に見ていないと思える起業者もいます。
たとえば、料理人が味の追求にだけ熱心で、現実に店に来てくれる客がそれを求めているのかどうか考えないような場合でしょうか。
こういう場合、その料理人がお客様の事を語っても、自分の事業を成立させるための一要素として語っているだけと感じることがあります。
うまくいく事業というのは、どこかに「顧客のため」という感情が必要だったりするのですが、それが感じられないわけです。
どんな事業でも、いつの時代でも
「顧客にとって価値があるサービス」
を提供できて
「その価値を知ってもらう」
ことができれば、成功しない理由がありません。
しかし自分の意識が顧客から離れている場合、この当たり前のことが真に理解できないと感じています。